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2026.09.01

AIを使った指導要録作成術                 AIツール活用事例紹介|現場が変わった、リアルな声

年度末、卒園・進級のシーズンに保育士・幼稚園教諭が向き合う仕事があります。「指導要録」の作成です。

子ども一人ひとりの育ちと学びを言葉で記録するこの書類は、次の担任や小学校への引き継ぎに欠かせない大切な公文書です。

しかしその一方で、

「1年間のことを記憶を頼りに書くのがつらい」

「どう表現すればいいかわからない」

「今年も同じような表現しか出てこない」

「全員書き終わるころには燃え尽きている」

——そんな声が現場から絶えません。

近年、こうした指導要録の作成にAIを活用する園が少しずつ増えています。ChatGPTやGeminiといった無料AIツールを使う方法から、保育記録と連動した専用機能まで、アプローチはさまざまです。

本記事では、実際にAIを活用している3つの園の事例を紹介します。「AIで要録を書く」とはどういうことなのか、現場のリアルな声とともに読んでみてください。

指導要録とは何か──改めて確認したいこと

指導要録は、幼稚園・認定こども園では文部科学省、保育所では厚生労働省が定める公的な記録書類です。在籍期間中の子どもの育ちを記録し、卒園時には小学校への引き継ぎ書類として機能します。

2017年の「幼稚園教育要領」「保育所保育指針」「幼保連携型認定こども園教育・保育要領」の3要領・指針同時改訂により、指導要録の様式も見直されました。「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿(10の姿)」が新たな評価の枠組みとして導入され、発達の状況を「健康な心と体」「自立心」「協同性」など10領域の視点で記述することが求められるようになっています。

この改訂により、テンプレートのコピー&ペーストでは対応しにくくなり、先生一人ひとりが子どもの姿を丁寧に振り返り、言葉にする力が問われるようになりました。

だからこそAIが有効です。AIは「白紙から書く」のではなく、先生が持っている記憶・メモ・記録を「要録らしい言葉に整える」ことが得意です。作文の負担を減らしながら、先生の観察眼を文章に反映できるのが最大のメリットです。

AIツールを使った要録作成事例 3選

【事例1】みつばこども園(兵庫県)─ 週案とChatGPTを組み合わせた活用

園長:神尾先生

導入前の課題

園長が1人で全員分チェックしてた。チェック作業だけでも2週間ほどかかっており大変な負担だった。添削した内容の書き直しの際にも時間がかかり職員に負担があるのが感じられていた。

やってみて

担任の先生は週案の中で園児の育ちをメモにとっておりそれを要録を書く際の参考資料にしていた。担任の先生の方で、ChatGPTに5領域にわけて要録へ記載する文体で出力する運用を開始し、チェックにかかる時間が大幅に短縮され、先生たちも保育に集中できる時間が増えた。

結果「事務作業を短縮できて、先生たちに余裕ができて、保育の質も上がりました。」

※ ChatGPTに個人情報を入力する際は、子どもの氏名など固有名詞は伏せたうえで使用することを推奨します。

【事例2】あだちみどり幼稚園(埼玉県)─ おうちえんのAI要録機能を活用

主幹:高橋先生

導入前の課題

若手の先生を中心に「指導上参考となる事項」の記述が同じような表現になりがちであった。主幹として全員分を添削し、やり取りを繰り返して仕上げていました。確認作業に週末を丸々使うこともあった。

やってみて

おうちえんからAI要録を出力し、要録のベースとして活用している。日々の記録から出力されるので、事実に基づいたまとめになっており、AI特有の誇張表現などもなくそのまま使っても違和感のないものが生成されています。

「おうちえんで普段の記録に目を通しているので、確認に回ってくる要録と日々の育ちがリンクしているのがわかります。園児に合わせた文章になっているか。という部分の添削がとても楽になりました。」

※ おうちえんのAI要録は、日常の保育記録と連動して要録文を自動生成する機能です。ChatGPTとの違いは、名前を伏せたり、個別に入力する手間がなく、蓄積された記録から自動で嘘のない内容が出力される点です。

AIツールに関するよくある疑問に答えます

Q. AIが書いた文章をそのまま提出していいの?

AIが生成した文章はあくまで「素案・下書き」です。そのまま提出するのではなく、担任の先生が読んで確認・加筆修正することが前提です。子どもの姿を一番知っているのは先生。AIは「整える役」に徹して、最後の判断は必ず先生が行ってください。

Q. ChatGPTやGeminiに保育記録を入力して個人情報は大丈夫?

ChatGPTなどの汎用AIに入力する際は、子どもの氏名・生年月日・保護者名など個有名詞は必ず伏せたうえで使用することを推奨します。「A児」「B児」など匿名化したメモを入力することで、個人情報漏洩のリスクを抑えながら活用できます。

おわりに

指導要録は、けして「こなす書類」ではありません。子ども一人ひとりの育ちを言葉に刻む、大切な記録です。

ただ、それを支える先生たちが忙しい業務の中で「何とかこなす」状態であれば、記録の質は下がり、保育の質にも影響します。AIを使うことは「手抜き」ではなく、先生が本来の観察と対話に集中できる時間を取り戻すための選択肢です。

上記の園の事例が、導入を検討するうえでの参考になれば幸いです。

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